成果主義の現場から「想いを実装する現場」へ
株式会社トゥモローリンクには、営業職や人材紹介、店舗マネジメントなど「成果数字」で評価される現場からの転身者が多く集まっています。入社時点で、コンサル・研修業界の経験者はほぼいません。それでも、入社1年目から経営陣の隣で、採用・組織開発プロジェクトの設計や研修ファシリテーションを担えるのは、「MEZAME」という独自プログラムを社内育成にも転用しているからです。トップの志やビジョンを、構造化された対話と場づくりを通じて社員の「自分ごと」に変えていくこのプログラムが、実装型コンサルタントの基礎体力を体系的に鍛えています。
MEZAMEとは何か──「志」と「個人のWill」を結ぶ対話プログラム
MEZAMEは、企業の歴史やトップの志をひもときながら、社員一人ひとりの「Will(何がしたいのか)」を言語化し、組織のビジョンとつなぐ参加型プログラムです。特徴は、結論を教える研修ではなく、問いと対話を重ねるプロセスにあります。たとえば、創業ストーリーを聞いたうえで「この会社が存在する意味を、あなたの言葉で言うと?」と問い直し、個人の原体験と接続していきます。この設計を社外だけでなく社内にも展開することで、メンバー自身が「どう問い、どう聴き、どう整理するか」を体感しながら学べる仕組みになっています。
力1:トップの「思いの構造化」を学ぶ
コンサル未経験者にとって最初の壁は、トップの熱い言葉を「伝わる形」に整理することです。トゥモローリンクでは、代表やクライアント経営者へのインタビュー同席からスタートし、
・キーワードの抽出
・背景となるエピソードの整理
・「ミッション/ビジョン/行動指針」への再配置
を上司と一緒に行います。MEZAMEのワークシートをそのまま社内でも使い、「なぜこの言葉が重要か」「どの行動とひもづくか」を対話で検証。単なる議事録ではなく、経営の想いを構造化して図解・文章化するスキルが、実案件を通じて磨かれます。
力2:心理的安全性をつくる「場づくり」の基礎
組織変革では、参加者が本音を語れるかどうかが成果を左右します。トゥモローリンクでは、MEZAMEの設計思想をもとに、1年目から少人数の社内対話セッションを任せます。その際に重視するのは、
・最初の一言の投げかけ方
・発言しない人への声のかけ方
・否定せず要約し返すリフレーミング
といった、心理的安全性を生む振る舞いです。終わった後には必ず先輩がフィードバックを行い、「今の問いはどんな影響を与えたか」を一緒に分析。場づくりを感覚論でなく、再現可能な技術として身につけていきます。
力3:気づきを行動に変える「介入設計」の視点
研修や面談の場で「気づきがあった」で終わらせないために重要なのが、介入設計です。MEZAMEでは、各セッションの最後に「何を、いつまでに、誰とやるか」を本人に決めてもらい、上司との1on1や次回研修にブリッジさせます。社内育成でも同様に、
・行動目標を本人の言葉で具体化させる
・小さな一歩に分解する
・周囲を巻き込む仕掛けを一緒に考える
といったプロセスを、1年目メンバー自身に設計させます。これにより、「良いワークだった」で終わらせない、変化を生むプログラム思考が身につきます。
現メンバーの変化:成果数字から「人の変化」を見る眼へ
たとえば前職で営業マネージャーを務めていたメンバーは、数字管理と指示型マネジメントが中心でした。入社当初は「結局、何をさせればいいんですか?」という発想になりがちでしたが、MEZAMEの社内ワークを通じて、メンバーの原体験やWillを聴く姿勢が養われました。1年後には、クライアントの現場マネージャー向け研修で、「数字に現れない変化(表情・発言・関係性)」を丁寧にフィードバックできるように。自らも「メンバーの変化を見つけることが一番の楽しみ」と語るようになり、仕事の意味づけそのものが変わっています。
今の職場で試せる「対話の問い」10選
MEZAMEで実際に使われる問いの一部は、どの職場でも応用できます。たとえば、次のような問いから始めてみてください。
1. 最近の仕事で「楽しかったこと」は何ですか?
2. なぜ、それが楽しかったのでしょう?
3.いまの仕事を通じて、どんな力を伸ばしたいですか?
4. あなたが「ここは自分らしい」と思える瞬間は?
5.逆に、違和感を覚える瞬間は?
6. この会社が社会に与えている価値は何だと思いますか?
7.その価値に、あなたはどう関わりたいですか?
8. 半年後、「成長した」と感じられる状態は?
9. 明日から試せる小さな一歩は?
10.その一歩を誰と一緒にやると進みやすいですか?