MEZAMEファシリテーターとは何をしているのか
MEZAMEファシリテーターは、企業研修の講師ではなく、「組織の北極星」を一緒に描く伴走者です。経営者の志や事業の歴史を丁寧に聞き取り、その背景にある想いを言語化。社員一人ひとりのWill(何をしたいか)を対話で引き出し、双方をつなぐ対話の場を設計・進行します。特徴的なのは、答えを教えるのではなく、問いと対話を通じて参加者の内側から変化が生まれるプロセスを支える点です。議論が拡散しすぎれば焦点を戻し、沈黙が生まれれば言葉を待つ。その一瞬一瞬に向き合い、「人が変わる瞬間」を支えるのが仕事の中核です。
経営者の志を構造化する ― 「意味を翻訳する力」
多くの経営者は強い想いを持ちながらも、現場には「スローガン」としてしか届いていません。MEZAMEファシリテーターは、インタビューや事前対話を通じて、経営者の言葉を構造化します。例えば、「はたらくがもっともっと前向きに」というビジョンを、
・会社が実現したい社会像
・社員に期待する行動
・日々の業務との接続点
に分解し、参加者が自分事として理解できる“翻訳”に落とし込みます。これにより、「社長の理想論」だったものが、「自分の仕事の判断軸」に変わっていきます。
場を温め、深い本音を引き出す ― 心理的安全性をつくる力
MEZAMEでは、立場や役職を超えた本音の対話が起こることが重要です。その前提になるのが心理的安全性です。ファシリテーターは、チェックインで「今日ここに来るまでの気分を天気で表すと?」など、負担の少ない問いから場をほぐします。発言が偏れば「今の話を聞いて、別の見方を持った人はいますか?」と、多様な声を自然に招き入れます。否定や評価はせず、「そう感じた背景をもう少し教えてもらえますか」と興味を向けるスタンスを貫くことで、「ここでは正直に話していい」と思える空気が生まれ、対話が一段深まります。
変化を行動に落とす ― 「明日から何をやるか」を決める力
場が盛り上がっても、行動が変わらなければ意味がありません。MEZAMEファシリテーターは、セッションの最後に「気づき」と「行動」を分けて言語化させます。例えば、
・今日の対話で一番印象に残った言葉は?
・それを踏まえて、来週までに“自分がコントロールできる範囲で”試したいことは?
と問いかけ、個人のアクションにまで落とし込みます。そのうえで、「その行動をチームにどう共有するか」までセットで考えてもらうことで、対話が一度きりで終わらず、職場に戻ってからの小さな実験へとつながっていきます。
前職の経験がどう生きるか ― MEZAMEファシリテーターの素地
この仕事は、特定の業界経験よりも、「人と組織に向き合ってきた経験」の深さが生きます。例えば、営業職であれば、顧客の本音を聞き出し課題を整理してきた経験が「意味を翻訳する力」に直結します。人事・マネジャー経験者は、1on1や評価面談での対話経験が「心理的安全性をつくる力」の土台になります。カスタマーサクセスや店舗マネジメントなど、現場の声を経営に橋渡ししてきた人は、「現場発の行動変容を設計する」視点を持ちやすいです。これまでのキャリアで培った対話力や伴走力を、より構造的に磨ける職種といえます。
現場で試せる「MEZAME的な1on1の問い」の作り方
今の職場でも、MEZAME的な対話は小さく試せます。1on1では、評価や進捗だけでなく、「Will」を扱う問いを1つ加えてみてください。例えば、
・最近の仕事で「自分らしさ」が出せた瞬間は?
・半年後、「今より少し誇らしく働いている自分」は何をしていると思う?
・会社のビジョンの中で、一番ピンとくる言葉と、その理由は?
といった問いです。ポイントは、正解を探すのではなく、「そう思ったのはなぜ?」と背景を一緒に探ること。短時間でも、相手のWillと会社の方向性をつなぐ小さな対話が始められます。
チームミーティングと“志ストーリー”のアップデート方法
チームミーティングでは、議題に入る前の5〜10分を「前向きな問い」に使うだけでも雰囲気が変わります。
・最近、チームの誰かの行動で「いいな」と思ったことは?
・今期の目標がうまくいったとき、社内・お客様にどんな変化が起きている?
また、経営者やリーダーの「志ストーリー」を聞く場をつくるのも有効です。「なぜこの会社を立ち上げたのか」「仕事で一番うれしかった瞬間は?」をインタビュー形式で共有し、それを聞いたメンバーに「自分の仕事との接点」を一言ずつ話してもらう。こうした小さな実践から、自分たちの組織の北極星を対話で探る力が、少しずつ育っていきます。