数字は追えていたのに、なぜ心は擦り減っていったのか
前職の営業現場では、「今月の数字がすべて」という空気が常に流れていました。目標は達成しているのに、会議で語られるのは「あといくら積めるか」「その案件は本当にMAXまで取りきったのか」といった話ばかり。お客様の課題や、提案後の変化について話す時間はほとんどありませんでした。
気づけば、数字をつくることが目的になり、「この提案は本当に相手のためか?」と自分に問い続ける日々。成果は出しているはずなのに、帰り道に「今日の仕事は胸を張って誇れるか」と自問すると、どこか後ろめたさが残る。この小さな違和感が積み重なり、転職を真剣に考えるようになりました。
転職前に整理した「3つの軸」―お金・成長・誇り
環境を変えると決めたとき、感情だけで動かないことを意識しました。そこで紙に書き出したのが、仕事選びの「3つの軸」です。
1つ目はお金。生活を守れる給与水準かどうか。
2つ目は成長。自分の市場価値を高められる経験やスキルが得られるか。
3つ目は誇り。家族や友人に、自分の仕事を胸を張って語れるかどうか。
すべてを100点にするのは難しいからこそ、「どの軸をどこまで妥協できるか」「何だけは手放さないか」を言語化しました。このプロセスが、求人情報や面接の言葉を見極める基準になりました。
トゥモローリンクを選んだ決め手は「志と現場の距離」
候補先をいくつか見たなかで、トゥモローリンクに興味を持ったのは、「はたらくがもっともっと前向きに」というビジョンが、自分の違和感と直結していたからです。ただし、きれいな言葉だけで選ぶのは危険だとも感じていました。
面接ではあえて、「売上が厳しいときでも、短期数字だけに寄せない理由」「営業現場でビジョンがどこまで会話されているか」を具体例で尋ねました。代表やメンバーから返ってきたのは、目標達成と同じ熱量で「お客様の変化」や「チームの対話」の話をする姿。ミッションがスローガンで終わらず、日々の判断基準になっていると感じられたことが、入社の決め手になりました。
入社後3カ月で取り組んだ「提案」と「対話の場づくり」
入社後は、まず既存の研修プログラム「MEZAME」を理解するところからスタートしました。ただ内容を覚えるのではなく、「この会社は何のために存在し、どんな未来をお客様と創ろうとしているのか」をストーリーとして把握することを意識しました。
実務では、クライアントの採用・定着の課題をヒアリングし、研修と採用支援を組み合わせた提案を担当。並行して、社内ではメンバー同士が「最近の学び」や「うまくいかなかったこと」を率直に共有できるミーティングのファシリテーションにも挑戦しました。数字の報告だけでなく、プロセスや感情も言葉にすることで、チームの一体感が高まる感覚を得ました。
「成果」と「優しさ」を両立させるために変えた思考習慣
環境を変えただけでは、働き方は大きく変わりません。自分自身の思考習慣も見直しました。具体的には、
・「今月の目標達成」だけでなく、「この支援で1年後に起きていてほしい変化」をセットで考える
・商談後の振り返りで、「売上の観点」と「相手の気持ち・組織変化の観点」を分けて言語化する
・社内のメンバーに対しても、「できていない点」より「その人の強み」にまず目を向ける
といった習慣です。
こうした小さな意識の積み重ねが、「成果を上げたい」という気持ちと「人の可能性を信じたい」という思いを、無理なく同じ方向にそろえてくれるようになりました。
同じ一歩を踏み出したい人が、最初にやってみるとよいこと
もし今、「数字は追えているのに、どこか満たされない」と感じているなら、いきなり転職サイトを開く前に、次の3つを試してみることをおすすめします。
1. 今の仕事で「誇りを持てる瞬間」と「違和感を覚える瞬間」を1週間メモする
2.仕事選びの軸を3つに絞り、「譲れない・妥協できるライン」を言葉にする
3. 気になる会社があれば、ビジョンと現場のつながりを、面接で具体例ベースで質問する
このプロセスを丁寧に踏むことで、「逃げの転職」ではなく、「自分がどう働き、どう貢献したいか」に根ざした一歩が見えてきます。成果と優しさを両立するキャリアは、特別な誰かだけのものではなく、思考と選択の延長線上にある現実的な選択肢だと感じています。