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【プロジェクト事例】“冷笑と諦め”があふれる組織が変わるまで──対話起点で未来を実装したコンサルティングの舞台裏

エンゲージメント向上 , ビジョン浸透 , ワークショップ設計 , 対話型コンサルティング , 組織変革

2026.06.16

「どうせ変わらない」が支配する現場と、見えないトップの志

クライアントは、営業ノルマと部門間の分断で疲弊した中堅企業でした。会議では数字と叱責だけが飛び交い、現場からは「言われたことだけやる」「変革プロジェクトなんてどうせ続かない」といった冷笑が当たり前。
一方でトップは、「地域に新しい価値を届ける挑戦者を増やしたい」という強い志を秘めていましたが、日々の業績プレッシャーの中で語る機会がなく、社員には「厳しい人」「数字だけ見る人」としか映っていない状態。
このギャップを埋めることを、プロジェクトの起点に据えました。

トップインタビュー設計──志と言葉を「翻訳」するプロセス

まず行ったのは、代表への深掘りインタビューです。「なぜこの会社を続けるのか」「一番うれしかった瞬間はいつか」など、経営の原体験から語ってもらう問いを事前設計しました。
同時に、出てきた言葉をそのまま社内に流すのではなく、現場の文脈に届くよう「意味の翻訳メモ」を作成。「挑戦」=「失敗しても守る」「数字」=「お客様のありがとうの総量」など、キーワードを現場言語に置き換え、後続のワークショップで活用できるストーリーに整理していきました。

多層ワークショップとMEZAMEで、「Will」とビジョンを接続

次に、管理職層・若手層・部門横断メンバーという3層に分けたワークショップを設計。
1回目は「本音を出し切る場」として、あえて課題やモヤモヤを言語化してもらい、冷笑や諦めの背景を可視化しました。
そのうえで、参加型未来プログラム「MEZAME」を実施。「自分は何にワクワクするのか(Will)」「会社のビジョンのどこに共感できるか」を対話しながら探り、最後に「明日から変える一つの行動」を宣言。小さな実験を全社で共有することで、変化の成功体験を連鎖させていきました。

行動変容が生まれるまで──設計と介入のポイント

プロジェクト中盤からは、ワークショップだけでなく日常のミーティングにも介入。
・トップがビジョンを語る時間を、毎回最初の5分に固定
・メンバーからの「できない理由」を「どうすれば?」に変える問いかけ
・小さなチャレンジを称賛する「拍手タイム」の導入
といった仕掛けを組み込みました。
数カ月後、現場では「他部署と一緒にやってみる」「お客様の声を起点に提案する」といった行動が増加。「どうせ変わらない」が、「やってみたら意外と変わるかも」へと確かな手応えを伴って転換していきました。

プロジェクトメンバーの1週間──伴走と自己マネジメント

こうしたプロジェクトを担うメンバーの1週間は、社長との1on1での方針すり合わせ、クライアント先でのワークショップ設計・実施、現場ヒアリングの合間に、自身の感情の整理を行う時間が組み込まれています。
クライアントのネガティブな声を受け止めつつ飲み込まれないよう、毎日5分の振り返りで「今日の学び」「心が動いた場面」を記録。
「場の温度を読み、言葉を選びながら介入する」ことが求められるため、自分自身が前向きさと冷静さの両方を保つセルフコーチングも重要な仕事の一部になっています。

入社前に磨いておきたい実践スキルチェックリスト

トップの想いを形にし、現場の行動変容まで伴走したい人に向けて、事前に磨いておくと役立つスキルを挙げます。
・話を聞きながら「この人は何を大事にしているか」をメモする習慣
・「なぜそれが大事なのか?」と一段深く聞く質問力
・ファシリテーションで使える問い例をストックする(例:「最近いちばん悔しかったことは?」「1年後に自慢したい成果は?」など)
・議論を要約し、「今日の意味」を一文で言い直すトレーニング
これらを日常の会話や会議で意識的に実践しておくことで、プロジェクトの現場で即戦力として活かせる素地が整っていきます。