ものづくりで応えるメーカーの開発現場とは
常磐精工は、街中で見かけるA型看板やポールサインをはじめとしたアルミ製の自立型看板をつくるメーカーです。特徴は、設計から材料加工、組立、出荷までを自社工場で一貫して行っていること。年間3万台以上を量産しながら、1台からのオーダーメイドにも対応しています。「MAKE THE BEST」を掲げ、安さではなく「品質」と「使い勝手」で勝負。だからこそ、現場から出るリアルなアイデアがそのまま開発テーマになりやすく、若手の提案が街に並ぶプロダクトに育っていきます。
ショールーム発、「使い手目線」のアルミフレーム改良ストーリー
1つ目は、ショールームでの気付きから生まれたアルミフレームの改良事例です。約50種の看板を前に、来場者から「ポスター交換がもう少し楽なら…」という声が繰り返し届きました。そこで若手社員が、開閉機構を見直した新フレーム構造を提案。最初の試作は強度不足でやり直しでしたが、NC切断機やオリジナル枠組専用機を使い、断面形状をミリ単位で調整。製造部門と何度もすり合わせることで、「現場スタッフが片手で交換できる」レベルに仕上げ、今では定番モデルとして多くの店舗で採用されています。
コロナ禍の現場課題から生まれた飛沫防止パーテーション
2つ目は、安全衛生用品の代表格となった飛沫防止パーテーションです。コロナ禍初期、取引先から「カウンターに安心して立てられるものがすぐ欲しい」と相談が増加。そこで若手メンバーが中心となり、「既存のアルミフレーム技術を転用できないか」と社内プロジェクトが立ち上がりました。倒れにくい脚部形状や、現場での組立時間をどう短縮するかが大きな壁でしたが、工場でのモックアップ検証と顧客先での実地テストを重ねて改良。耐久性と設置のしやすさを両立した製品として全国の店舗・施設に広がりました。
スタートアップとの協業で生まれた新ディスプレイ什器
3つ目は、スタートアップとの協業で形になったディスプレイ什器です。新サービスのPR用に「軽くて、工具なしで組み立てられて、デザイン性も高い什器を作りたい」という相談が持ち込まれました。若手社員が中心となり、アイデア段階から打ち合わせに参加。3Dデータと簡易模型で何案も提案しながら、NCボール盤やパネルソーを活かした量産しやすい構造に落とし込みました。強度試験で部材が変形するトラブルもありましたが、肉厚や接合方法を見直し、イベント会場での連続使用に耐える仕様に。スタートアップのブランド立ち上げをものづくりで支える経験となりました。
アイデアを形にする人が常磐精工で伸びていく理由
常磐精工では「現場の違和感」や「お客様の一言」を拾い上げる文化があります。ショールームや工場見学、技術資料室といった“開かれた場”が社内外にあり、気付いたことをその場で議論しやすい環境です。また、新しい設備を導入し、「職人しか触れない機械」から「若手でも扱える機械」へ移行しているため、自分のアイデアを自ら試作して確かめるチャンスも多いのが特徴。商品開発のアイデア募集を通じて、「自分が考えたものが世の中に出る」経験を若手が積み重ねられる土壌があります。
入社前からできる「アイデアを形にする」準備
「自分のアイデアを形にしたい」と考える人が、今からできる準備もシンプルです。例えば、
・街中の看板やディスプレイを意識して観察し、良い点・改善点をメモする
・気になった形や構造をスケッチや簡単な模型で再現してみる
・不便だと感じた場面から、「こうなっていれば便利」という仮説を言葉にする
といった習慣は、入社後の発想力に直結します。特別なソフトや工具がなくても、紙とペン、スマホの写真だけで十分。「なぜそう考えたのか」をセットで残すことが、アイデアを説明する力のトレーニングになります。
「つくりたい思い」を選考で伝えるコツ
選考や面接で大切なのは、「きれいな志望動機」よりも、自分なりの具体的なエピソードです。
・身の回りのどんな不便を見つけ、どう改善したいと思ったか
・実際に手を動かして工夫した経験(工作、趣味、アルバイトなど)
・常磐精工のどの製品や考え方に共感したか
を、自分の言葉で話せると「つくりたい思い」が伝わりやすくなります。また、「完璧な答え」を用意する必要はありません。うまくいかなかった試行錯誤も含めて語れる人ほど、ものづくりの現場では成長しやすいと考えられています。