工場の扉が開く日だけ見える、「街の裏側」をつくる現場
常磐精工の工場が地域に開かれるオープンファクトリーの日、見学者が最初に驚くのは「街で見ていた看板のほとんどが、ここから生まれていた」という事実です。A型看板やポールサインなど、普段は意識されないけれど、人の流れや安全をそっと支えている道具たち。その枠組みからパーツ一点まで、NC切断機やオリジナル専用機を使い、自社で一貫生産しています。社員の中には「この交差点の案内サイン、うちのだよ」と家族に誇らしげに話す人も。街を歩くことが、そのまま自分の仕事の成果確認になる──そんな感覚は、ものづくりメーカーならではの“社会とのつながり方”です。
小学生の『なんで?』が飛び交う、アルミ加工体験ワークショップの教室風景
地域の小学生を招いたものづくりワークショップでは、アルミの棒が看板のフレームになっていく様子を、子どもたちが間近で体験します。「なんでこんなに軽いの?」「どうして曲がらないの?」という質問に、若手社員が図を書きながら説明。自分が普段使っている機械や技術を、小学生にも伝わる言葉に翻訳する時間です。完成した小さなミニ看板を手に、「将来ここで働きたい」と言ってくれた子どももいました。「誰かの“初めてのものづくり体験”を支えている」と感じられるこのプログラムは、社員にとっても、自分の仕事の意味を再確認する場になっています。
オープンファクトリーで解禁された“安全の実験場”──飛沫防止パーテーションができるまで
コロナ禍の最中、常磐精工では自社のアルミフレーム技術を応用して、飛沫防止パーテーションの開発に踏み切りました。オープンファクトリーでは、その試作過程を「安全の実験場」として公開。社員が実際に話したり物を受け渡したりしながら、「どの高さなら安心か」「倒れにくい脚の形はどれか」を検証していきます。現場では、営業が集めた飲食店や学校からの声をもとに、設計と製造がその場で微調整。「ここをあと5mmだけ広げてみよう」といった地道な改善が、最終的に全国の現場で使われる製品につながります。「自分たちの図面が、人との距離の安心感を決めている」という実感が、開発メンバーの大きなモチベーションになりました。
消毒液スタンドが病院と学校をつなぐ──現場の声から生まれた改良メモの積み重ね
消毒液スタンドの開発では、納品先の病院・学校・店舗から届くフィードバックメモが重要な材料になりました。「車椅子の利用者には少し高い」「子どもが触っても倒れない重さがほしい」など、現場の“ちょっとした困りごと”が日々戻ってきます。常磐精工では、その一つひとつを設計会議で取り上げ、ベースの形状やペダル式の有無などを検討。試作機を再び現場へ送り、使い勝手を確認してもらう往復を重ねました。「うちの病棟でいちばん安心して使える道具になりました」という看護師の言葉は、図面上の数ミリの調整に関わった社員にとって、何よりの評価です。製品を通じて、医療と教育、地域の人々の日常がつながっている実感を持てます。
スタートアップと一緒に徹夜で“試作品の朝”を迎えた夜──実証実験用サイン支援プロジェクトの舞台裏
最近増えているのが、スタートアップとの協業プロジェクトです。ある実証実験用のサイン案件では、「来週には屋外テストを始めたい」という急ぎの相談が入りました。試作品の構造が固まっていない中、アルミフレームの組み方や配線ルートを、開発担当・現場リーダー・スタートアップのメンバーが同じ机を囲んで検討。夜通しで仮組みと強度チェックを繰り返し、明け方、ようやく「これならいける」と言える形に。工場のシャッター越しに朝日が差し込む中で見る完成品は、単なる“仕事の成果”以上の存在になります。新しいサービスを試す人たちの背後で、それを支えるインフラの一部を担っている──そんな裏方としての誇りを感じられる瞬間です。
「ここで働くと、どんな社会の一部になれる?」を言葉にしてみる
常磐精工のものづくりは、目立つヒーローではなく、街の安心や便利さを静かに支える“縁の下の力持ち”に近い存在です。ここで働くということは、例えば次のような社会の一部になることでもあります。
- 初めてお店を開く人の「最初のお客さん」を呼び込む看板をつくる
- 病院や学校で、感染症対策の当たり前を支える道具を届ける
- 新しいサービスに挑戦するスタートアップの、実証実験の土台を形にする
「誰かの挑戦や日常を支える」という軸で仕事を捉えたい人にとって、看板やディスプレイ什器は、想像以上に社会との接点が多いプロダクトです。自分がどんな場面で、どんな人の役に立ちたいか──そのイメージを具体的にしておくと、会社選びもぐっとしやすくなります。
面接で使える『社会貢献で会社を見極める3つの問い』と、自分の想いを伝えるひと言テンプレート
「社会貢献性の高い会社かどうか」を面接で確かめたいときは、次の3つを聞いてみると、企業のスタンスが見えやすくなります。
- 御社の製品・サービスが、地域の人のどんな課題解決に役立った事例がありますか?
- 現場から出たアイデアが、新しい製品や改善につながった具体例を教えてください。
- 地域や教育機関、スタートアップなど、社外との協働で印象的だった取り組みはありますか?
一方で、自分の想いを伝えるときは、次のようなひと言をベースにすると整理しやすくなります。
「私は、○○な人(例:初めてお店を開く人、医療や教育の現場で働く人など)の、△△な場面(例:新しい一歩を踏み出すとき、安心して仕事に集中したいとき)を支えられる仕事がしたいと考えています。御社の□□(例:自立型看板や安全衛生用品、地域とつながるオープンファクトリーの取り組みなど)に関わることで、その役割を果たしたいです。」このレベルまで言語化できれば、「誰かの役に立てる実感」を大切にする職場と、自然に出会いやすくなっていきます。