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【ものづくり志望者向け業界研究】切削部品から看板・防災・スタートアップ支援へ──常磐精工の57年に学ぶ“進化する製造業”のキャリア

アルミ加工技術 , 生産管理DX , 看板・サイン業界 , 製造業キャリア , 設備投資と自動化

2026.03.03

切削部品メーカーから始まった57年の軌跡

大阪府堺市に本社を構える常磐精工株式会社は、1967年創業のアルミ製販促ツールメーカーです。現在はA型看板の生産台数が国内最多クラスですが、最初から看板メーカーだったわけではありません。創業期はベアリングなどの切削部品加工の下請け、その後アウトドア用品、そして看板・サイン、防災・安全衛生用品、さらにはスタートアップ向け試作支援へと主力事業を変化させてきました。

「ものづくりで一生食べていきたい」人にとって、この変遷は業界研究の格好の教材になります。なぜ同じ会社が、時代に合わせて事業をスライドさせながら生き残れたのか。その鍵を「技術」「設備」「顧客」の3軸から見ていきます。

軸1:技術の進化──“アルミ”をコア技術にする

常磐精工の現在のコアは、オリジナル断面のアルミフレーム技術です。A型看板やポスタースタンド、ポールスタンドなど2,000種類以上のラインナップだけでなく、このフレームを活かしてクリーンルームの骨組みや防災ポシェット陳列棚など、スタートアップの試作開発も支援しています。

単なる「看板屋」ではなく、「アルミ構造物の設計・製造のプロ」に技術軸を再定義したことで、販促から防災、研究設備まで用途が広がりました。技術を「用途」で縛らず、「素材・工法」で再整理している点が、変化に強いメーカーの典型例です。

軸2:設備の進化──“職人技頼み”から再現性の高い工場へ

同社はNCボール盤、NC切断機、パネルソー、大型ミーリングマシンなどを導入し、年間3万台以上のスタンド看板を自社一貫生産しています。三代目・喜井氏が入社したタイミングで、生産管理システムの導入と設備更新を同時に進め、「熟練者でないとできない仕事」を「今日入った人でもできる工程」へと変えていきました。

結果として、若手中心の工場でも高品質を安定供給できる体制が整い、1台からのオーダーメイドにも柔軟に対応できるようになっています。設備投資とDXをセットで進める会社かどうかは、製造業で長くキャリアを築きたい人にとって重要な見極めポイントです。

軸3:顧客の進化──「看板を買う人生」に寄り添う

同社が重視しているのは、「看板を買う人生を歩んでいる人」にとってのファースト看板になることです。一度購入すれば、店舗リニューアルや増店、防災対策などで継続して相談が生まれます。

A型看板、ポールスタンド、飛沫防止パーテーション、消毒液スタンド、担架に変形する「サポートサイン」など、ニーズの変化に合わせて製品を拡張してきたことで、「販促」「安全」「防災」という複数の役割で顧客のそばにいられるポジションを築いています。

若手でも挑戦しやすいテーマの具体例

生産管理DX

紙とExcelでの管理から、生産管理システムへの移行を若手が主導した事例は、製造現場でITスキルを活かせる好例です。マクロや簡単なプログラミング経験でも、現場理解と組み合わせれば十分に価値を出せる領域であることがわかります。

オリジナルフレームを活かした共創

スタートアップの試作案件に、オリジナルアルミフレームを用いて応える取り組みは、「設計~試作~量産立ち上げ」の一連を経験できる環境です。若手でも、アイデア提案や構造検討に入り込みやすいテーマといえます。

変化に強いメーカーを見極めるチェック観点10個

  1. 創業から現在までの「主力製品の変遷」を説明できるか
  2. 自社開発のコア技術・コア部材を明確に言語化しているか
  3. 設備更新の頻度と方針(何を狙った投資か)を語れるか
  4. 生産管理・在庫管理などでDXの具体事例があるか
  5. 少量多品種・カスタム品への対応体制があるか
  6. 顧客セグメント(誰に売っているか)が明確か
  7. 新規市場(防災、安全、医療、スタートアップ等)への挑戦があるか
  8. 若手のアイデアから生まれた製品事例があるか
  9. 地域や社会との関わり(見学会、ワークショップ等)を重視しているか
  10. 「これから何を変えたいか」をトップが具体的に語れるか

工場見学で確認したいポイントリスト

  • 現場の人が忙しい中でも、質問にきちんと答えてくれる雰囲気か
  • 紙・ホワイトボードとデジタルツールの併用バランス
  • 設備の新旧が混在していても、整理整頓と安全対策が徹底されているか
  • 試作品・カスタム品が並んでいるスペースがあるか
  • 品質トラブルや改善の「見える化」ボードがあるか
  • 若手社員が説明役として前に出ているか
  • ショールームや技術資料室など、技術を伝える場を持っているか
  • 地域向け見学やワークショップの実績を紹介しているか

同じ「製造業」でも、会社ごとに進化の仕方は大きく異なります。常磐精工のように、技術・設備・顧客の3軸を軸足に変化してきた企業をケーススタディにしながら、自分が10年後・20年後も成長し続けられるメーカーを見極めていくことが、これからのものづくりキャリアには欠かせません。