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中小製造業で“攻める事務・営業”になる――昭和製線の海外展開を支えるバックオフィス職の実態とキャリアパス

バックオフィス業務 , 中小製造業 , 営業事務 , 海外展開 , 貿易実務

2026.03.10

「小さな商社機能」としてビジネスを動かすバックオフィス

大阪府富田林市に本社を置く昭和製線株式会社は、ジャンパー線や鉛フリーはんだメッキ銅線など、電子部品・電線用導体の加工を手がける創業100年超のメーカーです。2014年から本格化した東南アジア向け輸出によって、国内需要の頭打ちを補いながら成長してきました。その陰で、営業事務・貿易事務・営業サポートが「小さな商社機能」としてビジネス全体を支えています。

単に受発注を処理するだけでなく、見積作成から海外顧客との連絡、展示会準備、製造現場との仕様すり合わせまで、情報と段取りを束ねる“ハブ”となるのが昭和製線のバックオフィスです。

営業事務・貿易事務・営業サポートの連携構造

営業事務:案件の「入口」と「出口」を整える

営業担当から上がってくる引き合い情報を整理し、仕様・数量・納期を確認しながら見積を作成するのが営業事務の中核業務です。採算を確認しつつ、製造現場と相談して現実的なリードタイムを提示することで、「売れる約束」と「作れる約束」のバランスを取ります。受注後はシステム登録、納期管理、請求データの確認までを一気通貫で担当します。

貿易事務:海外取引のリスクと実務をコントロール

東南アジア向け輸出では、インボイス・パッキングリスト作成、船積みスケジュール調整、輸出関連法令の確認など、専門的な貿易事務が不可欠です。昭和製線では少人数体制の強みを生かし、営業事務と貿易事務をまたいで担当するケースも多く、「見積から通関書類まで一気通貫で理解している」人材が強みになっています。

営業サポート:展示会と情報発信の“司令塔”

海外展開の起点となった東京ビッグサイトの展示会出展以降、展示会は同社の重要な営業チャネルです。ブースで展示する線材サンプルの選定・梱包、説明資料や英語版カタログの整備、来場者からの名刺情報の整理とフォローリスト化などを担うのが営業サポートです。営業が商談に集中できるよう、事前準備と会期後フォローのオペレーションを構築します。

ある1日のスケジュール例

9:00〜10:00|メール・案件整理国内外からの見積依頼・注文メールを確認し、優先度を判断。東南アジア顧客からの英語メールは、営業担当と内容を共有しながら返信案を作成します。

10:00〜12:00|見積・納期調整原材料コストと過去実績を参照しながら見積作成。製造現場と短いミーティングを行い、設備負荷を確認しつつ納期を確定します。

13:00〜15:00|輸出関連書類の作成決定した受注について、インボイス・パッキングリストを作成し、フォワーダーと船積みスケジュールを確認。必要に応じてHSコードや原産地表示を再チェックします。

15:00〜17:00|展示会・営業ツール準備次回展示会のサンプルリスト更新、英語表記の確認、過去来場者リストの分析などを実施。営業会議で共有する資料もここでまとめます。

「翻訳者」として求められる3つの力

昭和製線のバックオフィスには、製造現場とお客様の「翻訳者」としての役割が求められます。鍵となるのは次の3つです。

  • 製品理解:銅線の種類、メッキ仕様、許容誤差などの基本を押さえ、技術用語をお客様に分かりやすく伝える力。
  • 数字への強さ:原価・見積単価・ロット・為替などを踏まえ、採算の取れる条件を素早く組み立てる力。
  • コミュニケーション力:製造・営業・物流・顧客のあいだで情報を整理し、抜け漏れなく共有する段取り力。

未経験から力を高める勉強法とキャリアパス

基礎力の身につけ方

  • 社内マニュアルやカタログを読み込み、自社製品の仕様と用途を体系的に理解する。
  • 見積書・請求書・インボイスなどの「書類の型」を覚え、数字の流れをトレースしてみる。
  • 簡単なビジネス英語フレーズをストックし、定型メールから少しずつ自分で書いてみる。

将来のキャリアステップモデル

  • ステップ1:国内営業事務として見積・受発注・納期管理を一通り経験。
  • ステップ2:貿易事務を兼務し、海外顧客・フォワーダーとのやり取りを担当。
  • ステップ3:展示会プロジェクトや新規海外市場調査の事務局として参画。
  • ステップ4:海外事業や新規事業の企画・運営メンバーとして、事務系から事業側へシフト。

昭和製線のような中小製造業では、一人ひとりのバックオフィスが担う範囲が広く、その分だけ事業の“前線”に近い位置で仕事ができます。事務職であっても、視野を広げて学び続ければ、海外展開や新規事業の成長を牽引する存在になれる環境だと言えるでしょう。