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大阪発・小さな銅線メーカーが世界と万博に挑む理由──昭和製線のイノベーション文化を社員視点で追体験

中小製造業の再生 , 品質改善 , 太陽光パネル再利用 , 東南アジア市場 , 海外展開

2026.03.10

100年企業の「沈みかけた船」からの再スタート

大阪府富田林市に本社を置く昭和製線株式会社は、ジャンパー線や鉛フリーはんだメッキ銅線など、電子部品・電線用導体の加工を行う従業員20名ほどのメーカーです。前身の平野電線製造所創業から数えると、歴史は100年超。しかし4代目・廣瀬康輔社長が戻った当時、会社は「船が沈みかけている」状態でした。

出荷量・利益は減少し、設備は老朽化。顧客の品質要求は上がる一方で、クレームも多かった。ここからの立て直しは、原因を徹底的に洗い出す品質改善と、販路を根本から見直す挑戦から始まりました。

展示会から始まった東南アジア輸出──「日本製だから欲しい」

転機となったのは2014年、東京ビッグサイトの展示会出展です。特別な新製品はなく、ただ自社の銅線を並べただけ。それでも台湾・香港・東南アジアの技術者たちが口々に「自国製より日本製がいい」「この線は自国で買えるか」と声をかけてきました。

そこで「とりあえずネット販売からやってみる」と始めた海外販売は、想定以上の反響を呼び、東南アジア向けの安定した輸出事業へ発展しました。価格競争ではなく「日本製への信頼」で選ばれた経験は、昭和製線の自信となり、次の挑戦を後押ししています。

太陽光パネルのアップサイクルで万博へ

廣瀬社長が個人的に関心を持っていたのが、太陽光パネルの大量廃棄問題です。FIT終了とともに捨てられるメガソーラー用パネルを、「もったいない」で終わらせない。そこで生まれたのが、太陽光パネルをホワイトボードやテーブル、卓球台、そして万博会場に設置された屋根付きベンチ「そらいす」へとアップサイクルするプロジェクトです。

大阪・関西万博の半年間を「長期の実証実験」と位置づけ、会期中も早朝に改良工事を重ねながら、利用データと来場者の声を収集。終了後の事業化まで見据えた、現場起点の挑戦が続いています。

社員視点で見る「とりあえずやってみる」1日の流れ

仮想スケジュール:若手技術・営業ハイブリッド職の一日

午前中は工場での工程確認と品質データのチェック。例えば、銅線表面の洗浄条件を少し変えた試作ロットの結果を現場と一緒に検証し、原因と対策をホワイトボードに整理します。「全社員が品質向上についての研究員」という創業精神が、日々の仕事の前提です。

午後はオンラインで東南アジアの代理店と打ち合わせ。現地のお客様から届いた「こんな仕様に変えられないか」という要望を、社内の技術メンバーに自分の言葉でフィードバックし、その場でたたき台を作ることもあります。

夕方には太陽光パネルアップサイクルチームのミーティング。万博会場での利用状況やSNS上の反応を共有し、「次の改良点」をブレスト。ベンチの形状や配線方法を図面に落としながら、「じゃあ、この案で一回やってみよう」と試作まで一気に進むスピード感が特徴です。

どんな人がフィットするのか

求められるスタンス

  • 与えられた仕事を「他人事」にせず、自分ごととして考えられる人
  • 製造現場の制約も、顧客の期待も両方理解しようとする人
  • 完璧な計画より、小さく試して改善を重ねることを厭わない人
  • 前向きな言葉かけやチームでの学び合いを大事にできる人

昭和製線が大切にする「人間力」とは、相手を思いやる言動で周囲に良い影響を与える力です。小さな組織だからこそ、一人ひとりの考え方やコミュニケーションが、そのまま会社の文化になります。

職務経歴書・面接で伝えたい経験の整理ポイント

準備しておきたいエピソードの例

  • 不具合やトラブルの「原因」を自ら深掘りし、改善につなげた経験(品質・業務効率・顧客満足いずれのテーマでも可)
  • 顧客・ユーザーの声を踏まえて、既存製品やサービスを作り替えた経験
  • 部署や国境をまたいで、異なる立場の人と合意形成した経験
  • 小さなアイデアを「とりあえずやってみる」と提案し、形にした経験

職務経歴書では、単なる「担当業務」ではなく、「課題 → 自分の仮説・行動 → 結果」をセットで記載すると、昭和製線の仕事との接続点が伝わりやすくなります。面接では、成功だけでなく、うまくいかなかった挑戦から何を学び、どう次に活かしたかまで話せると、「自分ごと」として考える姿勢がより明確になります。

小さな組織で、大きな変化を動かす

沈みかけた船から出発し、品質改善と海外展開、そして万博に至る新規事業まで。昭和製線の歩みは、「規模の小ささ」を言い訳にせず、とりあえずやってみる姿勢を積み重ねてきた歴史でもあります。

工程の細かな洗浄条件から、東南アジアの家庭のエアコン事情、万博会場のベンチで休む来場者の表情まで。現場と世界を行き来しながら、自分の提案をプロジェクトとして形にしていく──そうした環境に魅力を感じる人にとって、昭和製線は挑戦のフィールドとなり得るはずです。