朝礼から始まる「同じゴールを見る」時間
朝、工房に集まったスタッフがまず向かうのは、全員で行う朝礼です。営業、検品スタッフ、職人までが一堂に会し、その日の入荷量や納期の山場、特に注意が必要な案件を共有します。「このバッグは色ブレ厳禁」「このロットは期日がタイト」といった情報が、現場の判断基準になります。
単なる業務連絡ではなく、「お客様の“よかった、また使える”を揃って目指す」ための方向合わせ。創業者から受け継がれた「約束を必ず守る」という文化が、日々の朝礼という形で根付いています。
工房フロアの全体像と、担当ごとの役割分担
フロアに一歩入ると、裁断・ミシン・塗装・メンテナンスなど、工程ごとに専門チームが分かれています。
例として、1日の流れは次のようなイメージです。
- 検品チーム:到着した製品の状態確認と撮影
- 営業・フロント:取引先からの要望整理、見積もり確認
- 職人チーム:補強、縫製、色補正、仕上げの実作業
1点ごとに状態が違うため、マニュアルだけでは対応できません。だからこそ、隣の職人にすぐ相談できる動線や、工程間で声を掛け合う雰囲気が重視されています。
「どこを直したかわからない」を支える二重・三重のチェック体制
リペアは、作業前後のチェックが肝となります。まず到着時に、傷みの箇所や色ムラ、金具の状態を細かく記録。作業後は別の担当者が、依頼内容とのズレがないか、色やツヤ、縫製の仕上がり、糸くずの残りまで確認します。
大量ロットの案件では、サンプル1点を基準に仕上がりイメージを共有し、全数を同じクオリティに揃えます。「納期を守りながらも、妥協しない」ための品質管理が、地味ながら重要な仕事です。
営業と職人が日常的に連携する場面
BtoBのリペアでは、「誰のために直すのか」を正しく理解することが欠かせません。営業は取引先から、「このブランドの世界観」「お客様のクレーム内容」「今回はここを特に改善したい」といった情報を持ち帰ります。
それを工房で職人に共有し、「ここはあえてオリジナルに近づける」「ここは強度を優先する」といった方針を一緒に決めていきます。現場では、営業が途中経過を写真で取引先に伝え、微調整することもあり、両者の距離は非常に近いのが特徴です。
若手とベテランのOJT:毎日が「初めての仕事」
レザーアートのリペアは、同じブランド・同じ型でも、同じ壊れ方はほとんどありません。そのため、若手はベテランのすぐ隣で、実物を前にしたOJTを受けます。
例えば、色補正では、ベテランが「光の当たり方でこう見える」「この素材にはこの塗料は使わない」と、理屈と感覚の両方を伝えます。失敗が許されないプレッシャーはありますが、その分「自分の手で再び使えるようにできた」という実感が、仕事の大きなやりがいになっています。
残業・休憩のリアルと、納期を守るためのフォロー文化
繁忙期には、どうしても納期が集中する日があります。その際も「一人で抱え込まない」がルール。進行が厳しい案件には、周囲の職人が後工程を引き受けたり、検品チームが事前準備を増やしたりと、チームでフォローします。
休憩時間には、作業台から少し離れて雑談する姿も。集中力を保つためにはオン・オフの切り替えが重要だと考えられており、黙々と作業しつつも、困ったときにはすぐ声をかけ合う空気があります。
家族に誇れる「ファミリーデー」と、応募前に確認したい3つの準備
レザーアートでは、家族に仕事を見てもらう「ファミリーデー」や、工房を一般公開するイベントも実施しています。自分の仕事を家族や友人に説明しやすく、「モノを大切にする文化」に共感してもらえる場になっています。
見学気分でここまで読んだ方が、応募前に準備しておきたいポイントは次の3つです。
- 細かい作業を長時間続けられる集中力・体力があるか
- 「約束を守る」「納期を守る」という価値観に共感できるか
- ブランド品やモノづくりへの敬意と学び続ける姿勢を持てるか
これらを自分なりに整理しておくと、レザーアートでの働き方を、よりリアルにイメージしやすくなるはずです。