月曜:朝礼と工房見回りから始まる「プロの1週間」
月曜の朝は、全員での朝礼からスタート。納期の共有や、注意が必要な案件の情報が職人全員に伝わります。1年目のクラフトマンも、まずは先輩と一緒に工房内を見回り、今日どの作業に入るかを確認。
先週の仕上がりを先輩にチェックしてもらい、良かった点・直したい点をその場でフィードバックされます。「できているところ」と「まだ甘いところ」がはっきり言語化されるので、1週間の目標がクリアになるのが特徴です。
火曜:研修スペースでの基礎練習と「色を見る目」を鍛える時間
火曜は、比較的じっくりと基礎を固める1日。研修スペースで、端材を使ったコバ処理やステッチ練習、簡単な補色のトレーニングを繰り返します。
特に時間をかけるのが「色合わせ」。革のサンプルと塗料を見比べながら、先輩に「あと少し黄み」「もう1滴だけ黒」と細かく指示を受けます。最初は全然合わなくても、毎日続けていると、差がどこにあるか自分で気づけるようになっていきます。
水曜:先輩とのOJTで実案件デビュー「任せてもらう」緊張感
水曜あたりから、その週の実案件に本格的に関わります。最初は、先輩が担当するバッグの一部工程を任されることが多く、持ち手のコバ処理や、裏側の見えにくいパーツの補修などを担当。
1点ごとにダメージの原因も状態も違うため、「これはなぜこうなった?」という先輩からの問いかけに答えながら作業します。作業スピードよりも、「理由を理解して手を動かすこと」が重視される日です。
木曜:納期前の工房はピリッと集中モードに
週の後半、特に木曜は納期の山場。工房全体がいつも以上に静かで、ミシン音やブラシの擦れる音だけが響きます。
1年目のクラフトマンは、納期の案件を抱える先輩のサポートに入り、最終チェック前のクリーニングや糸の始末を担当。仕上がり確認では、縫い目の乱れ、色ムラ、余分な糸くずがないかを、先輩と一緒にダブルチェックします。「どこを直したかわからない仕上がり」かどうか、目を凝らして確認する緊張感の高い時間です。
金曜:品質管理の最終チェックと「1週間の振り返り」
金曜は、品質管理担当との連携が増える日。完成したバッグやシューズが次々と集まり、チェックリストに沿って検品が進みます。
1年目も、最初は見学から始まり、少しずつチェック項目を任されていきます。「ここ、ほんのわずかに色が違うよね?」と指摘されることも多く、プロの“見る力”との差を体感する瞬間です。終業前には先輩と短い振り返りを行い、来週の課題を共有して1週間が締まります。
土曜:じっくり練習日&先輩からの実体験レクチャー
土曜は、平日に比べてやや落ち着いた雰囲気の中で、苦手分野の克服に充てることも多い日です。調色、手縫い、パーツ交換の練習など、自分のテーマを決めて黙々と手を動かします。
合間には、ベテラン職人が実際の失敗談や印象に残った案件を話してくれることも。「このダメージをどう直したか」「なぜこの手順にしたか」といったリアルな話が、教科書にはない学びとして蓄積されていきます。
就活生のうちにやっておくと役立つ3つのこと
レザーアートの1年目クラフトマンたちに「学生のうちにやっておくと良かったこと」を聞くと、次の3つがよく挙がります。
1. 色を見分けるトレーニング:身の回りのものを見て、「赤でも青寄り」「黄みが強い」など言葉にしてみる習慣をつくる。
2. 細かい作業の練習:模型づくり、刺繍、プラモデルなど、手元を集中して使う趣味を継続する。
3. 自分の手で物を直してみる:靴ひも交換や簡単な補修でもよいので、「直すプロセス」を一度経験しておく。
こうした小さな積み重ねが、「本物の技術」を身につける土台になります。