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仕事のこと

世界の名品を裏側から支える仕事──レザーアートの1日と「ブランドを直す」責任感

カスタマーコミュニケーション , ブランド価値維持 , 品質管理体制 , 職人の技術 , 高級革製品修理

2026.05.07

ブランドの「困りごと」を受け止める朝の営業チーム

朝一番の営業チームは、全国の百貨店やインポートブティック、輸入代理店から届く修理依頼を一件ずつ確認することから始まります。破れ、色あせ、金具不良など症状は同じでも、原因も使用環境もすべてが異なります。担当者はまず、店舗やブランド担当者の声を丁寧にヒアリングし、「いつまでに・どのレベルまで直すか」をすり合わせます。ここでの約束が、そのまま社内の“最重要指令”になります。創業以来受け継がれてきた「どんな事情があっても約束を守る」という文化が、納期や品質条件の共有に反映されていきます。

工房に届いた「1点物」と向き合う職人の午前中

工房に集まったバッグやシューズは、1点ごとにカルテ化され、担当職人が状態をチェックします。同じブランドでも年代や素材、縫製仕様が少しずつ異なるため、毎回が「初めて触るモノ」と言っても過言ではありません。職人は、表から見えるダメージだけでなく、芯材のへたりやステッチの緩みなど、将来のトラブル要因も含めて確認します。そのうえで、補強・ミシン・カラーリングなどの専門チームと打ち合わせ。「どこを直したかわからない自然な仕上がり」に向け、最適な工程と順番を組み立てていきます。

「どこを直したかわからない」を目指す午後の集中作業

午後は、各担当が黙々と手を動かす時間です。色合わせでは、既存の色をそのまま塗り重ねるのではなく、経年変化やツヤ感まで含めて再現します。ミシン作業では、純正のステッチピッチや糸の太さに可能な限り寄せながら、強度も確保。金具やファスナーの交換では、見た目だけでなく、開閉の感触も重視します。大量ロットの案件でも、1点ずつ微調整を行うのがレザーアート流です。スピードと精度を両立させるため、熟練のベテランと感性豊かな若手がペアでチェックし合うことも日常的に行われています。

品質管理チームが守る「ブランドの品格」と信頼

作業が終わると、品質管理チームの多段階チェックが始まります。技術的な仕上がりだけでなく、色むら、縫製の乱れ、メッキの微細な傷まで、チェックリストに沿って確認します。また、糸くずや革のハギレがバッグ内部に残っていないか、付属品が欠けていないかなど、“見えないところ”こそ念入りに検査します。営業が約束した納期を守るため、スケジュール管理も品質管理の一部です。ブランドの品格と、オーナーの「またこのバッグを使える」という喜びを損なわないことが、彼らの最優先事項です。

営業と職人が一体になる「納期前」の最終ミーティング

出荷前には、営業と現場担当者が集まり、重要案件を中心に最終確認を行います。営業は、依頼時に聞いたオーナーや店舗の要望をあらためて共有し、「ここは特に気にされていたポイントです」と具体的に伝えます。一方、職人は、想定外のダメージや構造上の制約など、修理過程で判明した情報をフィードバック。必要に応じて営業が先方へ説明し、仕上がりへの納得感を高めます。こうした密な連携により、「もの」だけでなく「信用」も一緒に修復するというレザーアートの姿勢が形になっています。

プレッシャーをやりがいに変える3つのコツ

失敗が許されないプレッシャーを、レザーアートでは次の3つでやりがいに変えています。
1. 作業前のチェックリスト化:素材・色・構造・過去履歴を事前に洗い出し、リスクを見える化。
2.相談フローの明確化:迷ったら一人で抱え込まず、ベテランや専門チームにすぐ相談できるルールを徹底。
3. 振り返りノート:案件ごとに気づきや工夫点を記録し、次の仕事に活かします。
こうした仕組みにより、「価値あるものを未来につなぐ」というミッションと、自分自身の成長が自然と重なっていきます。