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その没頭癖は最高の才能だった──プラモデル好きの27歳が、未経験から“革リペア職人”になるまで

未経験からの挑戦 , 細かい作業 , 職人への転職 , 趣味の仕事化 , 革製品リペア

2026.07.03

プラモデル漬けの少年時代が「天職」につながるまで

彼の原点は、小学生から続くプラモデルづくりでした。ランナーごとにパーツを分類し、バリ取りや塗装のムラを何度もやり直す「細かさ」へのこだわりは、大人になってからも変わりません。社会人になっても靴磨きやDIYに没頭し、「気づけば朝」ということもしばしば。ただ当時は、それが仕事になるとは想像していなかったと言います。「趣味に本気でハマる自分は、普通の会社員には向いていないのでは」と悩んだ末、「細かい作業に集中し続けられること」を強みにできる道を探し始めました。

レザーアートを選んだ理由──「約束を守る文化」との出会い

転機となったのは、革製品のリペア専門企業であるレザーアートの存在を知ったこと。「価値あるものを未来につなぐ」という理念と、「約束・納期を絶対に守る」という文化に強く惹かれたと言います。自分の愛用品を長く使いたいと思う人を支える仕事であり、細部までこだわる手仕事が求められる環境。しかも、職人が約100名在籍し、トップブランド製品を数多く手がけている点から、「ここなら一生をかけて技術を磨ける」と感じ、未経験からの挑戦を決意しました。

未経験1年目の1日──地味な作業の積み重ねが技術になる

入社1年目の彼の1日は、検品と簡単な補修から始まります。先輩職人の指示のもと、傷や汚れの状態を確認し、写真とメモで記録。最初は色合わせの練習として、端切れ革への塗布と研磨を数多くこなしました。午前中は下準備やマスキング、午後は簡単なコバ補修や部分的な縫い直しなど、工程の一部を担当。作業の合間には品質管理のチェックにも立ち会い、「どこを直したかわからない自然な仕上がり」とは何かを、現場で少しずつ体感していきました。

つまずいたポイント──「早く慣れたい」気持ちとの付き合い方

もっとも苦戦したのは、「スピードと正確さの両立」でした。プラモデルでは何度でもやり直せましたが、お客様の大切なバッグは失敗が許されません。焦って作業を進めようとして先輩にブレーキをかけられたことも。「今日はきれいに仕上げることだけに集中しよう」「この工程の意味を言語化してメモしよう」と、目標を細かく設定することで、少しずつ安定感が増していきました。自分のクセを理解し、没頭を「丁寧さ」と「再現性」に変えていくプロセスだったと言います。

上達のコツ──「趣味で身につけた感覚」を仕事に転用する

彼が感じる上達のポイントは、趣味の延長線で考えないことと、同時に趣味で培った感覚を意識的に活かすことです。例えば、色合わせではプラモデル塗装の経験から、「光の当たり方で見え方が変わる」感覚を応用。一方で、時間管理や品質管理の厳しさは、完全に新しい視点として学びました。具体的には、作業ごとに「目的」「注意点」「失敗パターン」をノートに整理し、同じミスを繰り返さないことを徹底。これにより、任せてもらえる工程が徐々に増えていきました。

趣味をどう自己PRに落とし込むか──伝え方のポイント

「趣味が多いだけ」と捉えられないためには、次の3点を整理するとよいでしょう。
・どのくらい継続しているか(年数・頻度)
・工夫したこと(道具の選び方、手順の改善など)
・そこから学んだ力(集中力、段取り力、観察力など)
面接でよく聞かれるのは「なぜこの仕事なのか」「細かい作業での失敗経験と乗り越え方」。例えば、「プラモデルでの塗装ミスを、なぜ起きたか分析して対策したエピソード」など、具体的な改善プロセスを語ると、「没頭できること」が仕事での強みとして伝わりやすくなります。