採用メディア発信サイト

仕事のこと

【ケーススタディ】このバッグ、どう直す?リアルな修理事例で学ぶレザーアートの仕事の流れ

ファスナー不良対策 , ブランドバッグメンテナンス , 持ち手交換・補強 , 色補修テクニック , 革製品修理

2026.03.10

まず、「職人の頭の中」をのぞいてみよう

ケース1:色ハゲが目立つブランドバッグ

ビフォー:角と持ち手が白く擦れている

どう考える:どこまで“新しく見せる”か

  • 革の種類(顔料仕上げか、染料仕上げか)
  • 色ハゲだけか、ひび割れ・破れがあるか
  • 元の色味・ツヤ感・手触り
  • ブランドのデザインとしての「経年変化の味」をどこまで残すか

どんな手順で直す:色を“つくる”ところから

  • 全体をクリーニングし、古い汚れや油分を落とす
  • 色ハゲ部分の表面を整え、必要なら細かいキズを埋める
  • 元の色に合わせて、数色の塗料を混ぜて調色
  • テストピースで色・ツヤを確認し、微調整
  • エアブラシや筆で、色ハゲ部分を中心に「ぼかし塗り」
  • 仕上げ剤で全体のツヤと手触りを揃える

アフター:どこを塗ったか分からない自然さ

ケース2:持ち手が切れたトートバッグ

ビフォー:片方の持ち手が根本から裂けている

どう考える:見える部分だけではなく“構造”を見る

  • 切れたのは革そのものか、芯材か、縫製か
  • 反対側の持ち手や、反対側の根本の状態
  • バッグ本体との接合方法(挟み込み・カシメ・縫い付けなど)

どんな手順で直す:強度と見た目を両立させる

  • 持ち手を慎重に取り外し、中の芯材や縫い代の状態を確認
  • 損傷が大きい場合は、芯材ごと新規作成し、元と同じ形状にカット
  • ブランドの雰囲気に合う革を選定し、色・厚みを調整
  • 元のステッチピッチ・糸色・太さを再現しながら縫製
  • 根本部分には見えないところで補強を入れ、負荷を分散
  • 全体のバランスを見て、反対側も同様に調整

アフター:安心して荷物を預けられる“相棒”に

ケース3:開閉できないファスナー付き財布

ビフォー:スライダーが動かない・途中で噛む

どう考える:交換か、調整か

  • エレメント(金属の歯)が曲がっていないか
  • テープ部分の破れやほつれ
  • スライダー(引き手側の金具)の摩耗具合
  • ファスナーを交換するとロゴ刻印やデザインと干渉しないか

どんな手順で直す:ミリ単位の精度で

  • 現状の開閉状態を細かくチェックし、原因を特定
  • 軽度ならスライダーの調整や交換、エレメントの噛み合わせ修正
  • 全交換の場合、元と同規格のファスナーを選定(色・素材・務歯の形状)
  • 財布を慎重に解体し、縫い代・コバを崩さないように取り外す
  • 新しいファスナーをミリ単位で合わせながら縫製し直す
  • コバを整え、全体のラインが真っ直ぐになるよう最終調整

アフター:ストレスゼロの開閉

自宅でできる“事例研究”のすすめ

ステップ1:自分の靴・バッグを1つ選ぶ

  • どこが一番傷んでいるか
  • なぜそこだけ擦れているのか(歩き方?持ち方?荷物の量?)
  • 今後どこが先に壊れそうか

ステップ2:「自分ならどう直す?」をメモする

  • まずどこを分解・確認するか
  • どんな素材・道具が必要になりそうか
  • どんなリスクがありそうか

ステップ3:プロの事例と見比べる